スティックPC を PCオーディオ専用機にしよう。

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Windows 10 Home Version 1511 (2017/10/10にサポート切れ) での記事なので最新Versionでは通用しない設定があります。ご注意下さい。

スティックPC を音楽再生専用PC に仕立てあげるまで、色々と設定したので、
備忘録を兼ねて、ここに記載しておくことにします。

(1) 電源 ON だけで再生スタンバイ状態にする
 (1-1) 起動後に Windows に自動ログイン
 (1-2) foobar2000 を自動起動
(2) 電源OFFも電源ボタンだけで切れるようにする
 (2-1) 電源ボタン押下でシャットダウン
(3) 音質劣化につながるものはできるだけ排除する設定にする
 (3-1) foobar2000 を WASAPI排他モードに設定
 (3-2) CPU の動作クロックが下がらないように設定
 (3-3) ウィルス対策ソフトの動作を停止
 (3-4) Windows Update の自動実行を止める ※今回は成功せず
 (3-5) 不要なビルドインアプリや機能を削除(無効化)
(4) 他PCから操作可能にする
 (4-1) リモートデスクトップを使えるようにする (Windwos 10 Home で)

色々と設定、と言っても、やったのはこれぐらいです。
(4)は結構苦労しました。全部成功ではなく諦めたもの妥協したものあります。
なお、それぞれの詳細な手順やダウンロードリンクは載せていません。
適切なキーワードで検索すれば、詳しく解説しているサイトが見つかりますので、
副作用も含めて理解できる人だけ自己責任でお願いします。


まずは前置きから。

LXU-OT2 と LXA-OT3 を改造して以来、すっかりPCをいじっている時は
PC で音楽を鳴らすようになりました。いわゆる、PCオーディオってやつですね。

大きな画面で操作できる再生環境は、非常に便利。
更に、PC を操作しているキーボードとマウス(トラックボール)で、
そのまま選曲したりできるので、一度これに慣れてしまうと、
普通のオーディオ専用再生機が使いにくく感じるほどです。

ところが、PC を操作している、ということは PC で様々な作業をしている訳で、
PC の負荷が高いと音にノイズが入ったり、音が揺らいだり(する気が)します。

更に、CD の取り込みをしている時とか、CD や楽曲の購入時の試聴とか、
Webブラウズしている時とか、一時的に別の音を聞きたくなることがあります。
使っている USB-DAC が LAU-OT2 なので ASIO には非対応ですが、
「WASAPI排他モード」(Windows の処理をパスして音質劣化を避ける設定) にしているので、
当たり前ですが、そのままでは他の音を鳴らすことができません。

つまり、やっぱり音楽の再生は音楽再生専用の独立した環境がやっぱりいいよね、
ということになる訳です。
ですが、PC 周りに Fit するようなコンパクトなネットワークオーディオってないですよね。
もしあっても操作性が悪そうだし。
かと言って今更、CDを毎回入れ換えたり、ポータブルオーディオをちまちま操作するのに
戻るのも我慢できない訳です。

前述のように PC の大きな画面での操作が最高なので、
理想は PC から操作できるもの、となります。
で、色々考えた末、音楽再生専用の PC がもう1台あれば最高だ、という結論に達しました。


良い時代になったもので、ちゃんとした Windows PC が1万円しないで買えます。
そう、スティックPC です。ドスパラの DG-STK1B を採用することにしました。

DG-STK1B の最大の利点は「ファンレス」であること。完全に無音です。
値段も安い!(←ここ重要)
HDD でなくメモリ(eMMC)なので、起動も早いし音もしない。
もちろん、普通のオーディオ再生機と比べれば起動に時間がかかりますが、
ディスクリートアンプが安定するまで待つのに比べれば短いぐらい。つまり余裕で許容範囲です。

CPU は「Atom Z3735F」。非力と言えば非力ですが、音楽再生だけと考えれば余裕ありまくり。
メモリも 2GB しかありませんが、これも音楽再生しかしないので余裕です。
ストレージは 32GB しかありませんが、Micro SDXC のスロットを装備しているので充分でしょう。
音楽データは Micro SD に格納すれば、必要なアプリは foobar2000 だけですから。

スペック的には必要充分なので、あとは音楽再生機として設定を詰めていき、
音楽再生専用機として、使い勝手のよいものにしていきます。


まずは「(1-1) 起動後に Windows に自動ログイン」から。
DG-STK1B は Windows10 なのでパスワードなしのアカウントを用意するだけでOK。
Windows8 から、前回ログインのアカウントがパスワードなしの場合、自動でログインします。
管理者アカウントをパスワードなしにするのは流石にどうかと思うので、
標準アカウントをパスワードなしで作成しましょう。

次に、ログインしたら foobar2000 を立ち上げるようにスタートアップに設定します。
Windows10 になってスタートアップが分かりにくくなりましたが、
以下のパスにショートカットを置くだけです。

C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup


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これで「(1-2) foobar2000 の自動起動」も完了。

取り敢えず、これだけで第一目標の電源ボタンON だけで foobar2000 が立ち上がって
再生待機状態にすることができます。


次に電源オプションの設定。まずは「電源ボタンの操作」で「シャットダウン」を指定すれば、
「(2-1) 電源ボタン押下でシャットダウン」も完了。
これで、再生を止めて電源を落とすだけなら、画面の操作なしに本体の電源ボタンを押すだけになりました。

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更に「最小のプロセッサの状態」を 100% に変更しておきます。
音楽の再生だけだと CPU使用率は 10% もいかないのですが、
そのままだとクロックを落として省エネモードになってしまいます。
この状態で CPU負荷が瞬間的にあがるとクロックを上げるのが間に合わないのか、
音が揺れる原因になっている気がします。(あくまでも「気がする」だけかもしれませんが)

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この設定にしても、微妙に CPU のクロック周波数が時々さがりはしますが、
概ね高い動作クロックを維持しています。
どれほど音質に寄与しているかわかりませんが、省エネと発熱の問題以外に、
音質に悪い影響を及ぼすことはない筈なので、この設定にします。
微妙に時々クロック周波数が下がるのは、熱の影響でしょうか。
放熱ファンがないので温度上昇によるクロック低下は仕方がないですが、
まあこの程度なら問題ないでしょうから、気にしないことにします。
これで「(3-2) CPU の動作クロックが下がらないように設定」も完了。

順番が前後しましたが「(3-1) foobar2000 を WASAPI排他モードに設定」の設定も
忘れずにやっておきましょう。

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foobar2000 にコンポーネントのインストールが必要ですが、簡単です。


あと、購入時にプリインストールされているウィルス対策ソフト
「MacAfeeインターネットセキュリティ」の設定で、ウィルスパタンの自動更新や、
リアルタイムスキャン、スケジュールスキャンなどを無効にします。

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「(3-3) ウィルス対策ソフトの動作を止める」ことになりますので、
PC は当然脆弱な状態になりますが、これらが動くと長時間にわたって
CPU、ストレージI/O、ネットワークI/O の負荷が高くなるので仕方がないです。
ファイヤーウォールなども停止しようかと思ったのですが、
警告が鬱陶しいし、それほど負荷があがる処理もなさそうなので設定は残してあります。

脆弱な状態ですが、家庭内LAN の中ですし、
音楽再生専用で、メールもWebアクセスもしない。
持ち込むファイルは、万全に対策している(つもりの)メインPCからのコピーのみ
という使い方なので、まあ大丈夫でしょう。
ウィルス対策ソフトも、まだ悪さするようならアンインストールしても良いか、
と思っているぐらいなので。


さて、ディスプレイには2系統の入力があるし、いざとなればPC切替機という
選択肢もあるのですが、やっぱりリモートデスクトップで、
メインPC の操作の延長で操作したい。
「(4-1) リモートデスクトップを使えるようにする」に挑戦です。

DG-STK1B の OS は「Windows10 Home」です。
RDP のサーバになるには本来は「Pro」エディション等でないとダメです。
かと言って、スティックPC の元々の値段以上の費用を掛けて
Pro化する気にもなれません。

世の中捨てる神あれば拾う神あり。(ちょっと違う気もしますが)
便利なツールを提供してくださる方々がいるもので、「RDP Wrapper」という
Home系 Windows でリモートデスクトップを使えるようにするソフトがあります。
これを使えば、DG-STK1B にも、リモートデスクトップで接続できるようになる筈。
早速「RDP Wrapper」をインストール。

これで「管理者」アカウントに対するリモートデスクトップ接続は可能になりました。
通常リモートデスクトップ接続をするには、「管理者(Administrators)」または
「Remote Desktop Users」グループに所属しているアカウントで、
更にパスワードが設定されている必要があります。
今回は管理者でもなく、パスワード設定もないユーザで可能にすることを目指します。

まずは「管理者+パスワード:有」に設定して通常に接続可能なことを確認。
次に「標準ユーザー」に変更してみると、やはり接続できません。

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ちなみに、更にパスワードもなしにすると、エラーの内容が変わります。

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パスワード設定の有無の方が、リモートデスクトップ接続を許可されているか、
の判定より優先度が上なんですね。

そう言えば、パスワードなしでの接続の許可は「ローカルセキュリティポリシー」
から設定します。

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「ポリシー」ですから、ユーザ毎の権限より優先されるのは納得ですね。
さて、では早速設定をしましょう。

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駄菓子菓子! Homeエディションなので「ローカルセキュリティポリシー」が
ありやがりません。なんてこったい!

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ないなら仕方がない、と諦めるのは早いです。世の中捨てる神あれば拾う神あり。(しつこい)
グループポリシエディタ(gpedit.msc)を拾ってきてインストールしましょう。
(本来は Windows 7用のツールのようですが)

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[コンピュータの構成]-[Windowsの設定]-[セキュリティの設定]-[ローカルポリシー]-[セキュリティオプション]
の順に辿って、
ローカル アカウントの空のパスワードの使用をコンソール ログインのみに制限する

の項目を「無効」にします。
拾ってきたツールは日本語対応ではないので中途半端に英語と混ざっていますが
問題になるレベルではないですね。
これでパスワードなしでもリモートデスクトップ接続可能になりました。

では、次に「標準ユーザー」でのリモートデスクトップ接続を許可しましょう。
通常「管理者」以外のアカウントへのリモートデスクトップ接続の許可は、
システムプロパティの「リモートアシスタント」から設定します。

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ですが、やっぱりHomeエディションなのでそんな設定項目はありやがりません。
だったら「Remote Desktop Users」グループにコマンドで追加してみましょう。

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ローカルグループを作るところからになりますが、
コマンドプロンプト(管理者)から「net」コマンドでできます。
さあどうでしょうか。

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まあ、なんとなく想像していましたが、単に「Remote Desktop Users」という名前で
グループを追加してもダメでした。

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因みに、試しに「RDP Wrapper Configuration」で「Disalbe Security」に
設定を変えてみましたが、エラーがクライアント側でなくサーバ側ででるように
なっただけで、やっぱりダメでした。

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単に「Remote Desktop Users」という名前でグループを追加しても、
そのグループに権限を追加しないとダメなんですね。うーむ、そりゃそうだ。

なので、「グループポリシエディタ(gpedit.msc)」をまた使います。
ここで「リモートデスクトップサービスを使ったログインを許可」に
ユーザを追加すれば良い筈。

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これでどうだぁ。
残念、これでもダメでした。うーむ。Homeエディションの壁は厚い。

結局、標準ユーザに対するリモートデスクトップ接続は諦めて、
管理者アカウントで使うことにします。無念・・・

そう言えば、管理者アカウント(Administratorsグループ所属)なら、
リモートデスクトップ接続の許可が最初から付いています。
これは Homeエディションでも同じのようです。
今更ではありますが、不思議といえば不思議ですね。

妥協はしつつも、リモートデスクトップ接続は可能になりましたが、
デフォルトのままだと、接続した瞬間に音が切れてしまいます。
これはクライアント側で音を鳴らす設定になっているからです。

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「リモートデスクトップ接続」クライアントの[ローカルリソース]タブから
「リモートオーディオ再生」を「リモートコンピュータで再生する」にします。
これで、リモートデスクトップ接続しても、音が鳴り続けます。


なお「(4) 他PCから操作可能にする」という目的としては、
リモートデスクトップ接続以外にも、「Mouse Without Borders」も試しましたが、
仮想デスクトップと併用すると混乱してしまい、私にはどうもダメでした。

今のところはダメでしたが「隣の画面」という感覚で行ったり来たりできるので、
使いこなせればとても便利だと思います。
こちらも継続して使いこなせないかチャレンジする所存。


さて、妥協して「管理者」アカウントで使うことにしたので、
「パスワード無し」設定はさすがにやめることにします。
家庭内LANの内側とは言え、認証なしで管理者へのリモート接続を許すことになるので。

改めて「(1-1) 起動後に Windows に自動ログイン」の設定をします。
これには netplwiz コマンドを使います。

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「管理者」アカウントに自動ログインなのでセキュリティ的には問題ありですが、
まあ、物理的にPCを触れる状態の攻撃者から守る完璧な方法なんて
ないに等しいので気にしないことにします。
(部屋に頑丈な鍵かける方が手っ取り早いです)

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あとはメインPCのリモートデスクトップクライアントで、
[オプションの表示]-[資格情報を保存できるようにする] にチェックして
一回RDP接続すれば、次回からはパスワードの入力なしに接続できるようになります。
これでほぼ通常の操作時にはパスワードの入力から解放されました。


さて、残りの設定をしてしまいましょう。


Windows 10 になって、Windows Update が勝手に動くようになりました。
選べる選択肢は再起動のタイミングで「自動」か「日時を指定」だけ。
つまり [更新の確認]-[ダウンロード]-[インストール] までは
完全に勝手にやられてしまうということ。これもHomeだと設定できない。
更に、デフォルトだと LAN内PC への配布までやる設定になっています。

非常に腹立たしいですね。
「Pro」エディションだと「アップグレードを延期する」が選べますが、
これは新機能のインストールであって、セキュリティアップデートには関係ありません。

勝手にインストールが始まって負荷があがるのも嫌ですし、
シャットダウンしたいのに更新が走って電源がすぐに切れないのもヒドイ。
節電の意味もあって、PC関連は寝る時にシャットダウンしたら電源タップのスイッチを
切る習慣があるのですが、「さあ寝よう」と思ってシャットダウンしたいのに
「電源を切らないでください」なんてありえない。
シャットダウンして設置を変えようと思っていたのに電源が落とせなくなる、とか
本当にいろいろ困ります。

電源を切りたい時に切れない、なんて道具として最悪ですよ。
更新ぐらい手動でちゃんとやるから、勝手なことはしないで欲しい。
メインマシンは「Pro」なので、自動更新を無効にしています。
これもグループポリシから設定できます。

なので、Homeにも同様に設定してみました。

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ですが、ダメのようです。いつのまにか勝手に更新が走ってやがります。
設定画面をよく見ると、「Supported on:」の記述がありました。

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Windows 7 の文字すらありませんね。
これも色々調べましたが、残念ながら止める手立てはないようです。
なので、「(3-4) Windows Update の自動実行を止める」は悔しいけど諦め。

Microsoftさん、何とかなりませんか?


さて、最後にプリインストールされているアプリの掃除です。
プリイン、というよりビルドイン、と言うべきか。

デフォルトだと、色々なアプリが勝手にインストールされて、
スタート画面にピン留めされているだけでなく、
ライブタイルという鬱陶しい動作をします。

これがまた、紙芝居で表示する画像を勝手にダウンロードして、
ストレージを無駄に圧迫する困りもの。
更に通常の操作ではアンインストールできないものが多い。
Power Shell を使って可能な限り掃除しましょう。

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なお、これらのアプリは、ユーザ単位でインストールされるので、
ユーザの追加をするたびにアンインストールをしないといけません。

ユーザの追加をすると初回ログイン時に「こんにちは」とかユルユル表示して
長々と待たせる裏では、こんな余計なことをしているようです。
どうもどんどん余計なことばかりやるOSになっています。困ったものです。


さて、上記の Power Shell でも、コルタナさんや Edge、One Drive などは
アンインストールできませんです。
もうちょっと頑張って可能な限り、要らないものは無効化しましょう。

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まず、One Dirve は Microsoftアカウントでサインインしなければ、
悪さはしないと思われますが、念のため設定から
「Windowsにサインインしたときに One Drive を自動的に開始する」
のチェックを外しておきます。これで勝手に通知領域に出現するのを防止できます。
タスクマネージャにも出てこなくなるので、まあ大丈夫でしょう。

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あとは「Windowsの機能の有効化または無効化」で以下を無効化。
・Microsoft PDF印刷
・Remote Differential Compression APIサポート
・XPSサービス
・XPSビューアー
・メディア機能 (Windows Media Player)
・ワークフォルダークライアント
・印刷とドキュメントサービス
それほど悪さをするとは思えませんが、まあ簡単にできることなので。

コルタナさんは設定で「オフ」にしておけば、今のところ大人しくしているようなので、
削除するのは許してあげましょう。(無理やり削除して大丈夫かもよく分からないし)
Internet Explorer と Edge の両方は不要ですが、どちらを使うかと言われれば、
現時点では IE ですね。Edge はどうにもアンインストールできなさそうなので放置。

他にも頑張って不要なサービスを停止していこうかとも考えていましたが、
そろそろ疲れてきたので、この辺で一旦は良いことにしましょう。



オ・マ・ケ

設定ではないですが、放熱対策でヒートシンクを取り付けてみました。
電源オプションで CPU のクロックを維持するようにしているので、
やっぱりそれなりに熱くなります。
ファンレスなので筐体からの放熱を少しでも増やそうということ。

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採用したのは「Ainex HM-19A チップ用マルチヒートシンク」
ちょっとお高いですが、アルマイト処理もされているし見た目も良いので奮発です。

エアーフローがない状態なので気休め程度ですが、
まあないよりはマシでしょう。

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